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紗矢「そうですか良かったわね、真由子。」 真由子「ええ姉さん、さあ加奈こっちで一緒に食べましょう。」 加奈「えっ?」 そう言って真由子は微笑み、加奈を自分達の席の方に連れて行った。 紗矢「貴文さんから聞きました、ボランティアの方々ですよね? 朗読劇の続き、楽しみにしています。」 雷太「お袋?」 雷太は呆然とし、紗矢は柔らかな笑みを絶やさなかった。 牧子「どういうこと…」 敷徳「あなたの仕掛けじゃ…」 貴文「いやー刺激が強い内容でしたが、通院中の方々の余興として本当に感謝です。」 貴文は周囲に得意の営業スマイルを見せ、近づいてきた。(編集済)
敷徳「紗矢さんも真由子さんも治ってないのか?」 貴文「そうなんです。こんな状況じゃ、万が一お二人が犯人と名指しされても、理性的な反論が出来ず不公平ですよね。今回はお開きにして、お二人が完治するまで待つべきではないですか?皆さん!」 貴文は大声で一同に訴えた。 しかし、熊野は厳しい顔つきで、 熊野「おかしいのう。それなら始める前に言ってないと筋が通らんのう。都合が悪くなって演技しとるんじゃないか?」 (編集済)
貴文「それは大広間に向かう直前、担当の看護師に伝えたんですよ。 真由子と紗矢にだけ、余興が始まると伝えてくれと。 もう1人の看護師にも、雷太にはバレないようにしろとね。」 熊野を馬鹿にするかのように微笑む。 敷徳「あの、はしゃいでいる途中ですが…」 みちる「貴文、後ろの方の桃香に気がつかないの?」 貴文「はっ?」 敷徳とみちるの反応から振り向くと、桃香はマイクを持っていた。 桃香「皆さ~ん。 朗読劇再開前の余興として、私の愛する主人の話をしたいと思います。 題して【〇〇組の若頭から経歴詐称や裏社会の力で、村長となった貴文ヒストリー♡】 桃香はハイテンションにして、目はどこか死んだ魚のように語り出した。(編集済)
桃香「経歴には高校中退して寮付きの仕事をしていたとありますが、その内容は山中組に入って裏社会の取引に従事していたので〜す」 二夫「山中組ってまさか・・・」 桃香「そのまさかです!すばるが組長をしている暴力団です。久志吐の花を裏社会に流通して勢力を拡大していきました。シク村長とは父子の仲が悪いように装い、裏で協力していました」 (編集済)
タケル「お手洗いに行く時に、何で警察も傍に来るのかなって…うん? あっ桃香ちゃん、正確には親父の代わりに貴文が組に指示はしているらしいけど。」 貴文「みなさん、家の妻は事件でパニックになっていてこのような虚言を。 (おいタケル、桃香はお前を…あのバカ女が。)」 タケル「(はっ…)」 気づいたことで墓穴を掘って青ざめるタケルと頭を抱える貴文 桃香「息子のタケルさん、追記ありがとうございます。 ちなみにタケルさんは裏社会では著名な正岡さん…あっ牧子さんに参加者を斡旋していました。」 牧子「楽しそうね、まあ血縁達は殺人の実行犯の可能性は低いけど。」 敷徳「やっぱり犯人を知っているんですか、シク村長はあの人だろうか?」 牧子「思い当たる人物は突き止めたみたいね、ただ…ある不安要素に気付かないの?」 牧子が軽い笑みを浮かべる中、女性警官が叫んだ。 女性警官「すみません…茜さんが…」(編集済)
原田「茜がどうした?」 女性警官「トイレから出るのが遅いなと思って、ドアをノックしたんですが反応がないのです。それで男性警官にも協力してもらってドアを壊したんですが・・・」 雷太「死んでたのか?」 熊野「荷物検査をしてるので薬や刃物は持ち込めないが・・・」 女性警官「息はしてるのですが、気を失っています」 (編集済)
原田「奇譚に三浦という女性が出てきましたけど、茜の実の親の名字も三浦なんです。もし奇譚の三浦が茜の親だったら、もし本当は自殺じゃなく殺されてたとしたら、これから真実が明かされるわけです」 敷徳「茜さんにとって強いショックを受けるかもしれない不安で過呼吸にでもなったか」(編集済)
牧子「過呼吸ね…ねえまだ気づかないの敷徳さん、不安要素に。」 敷徳「不安要素って、まだ僕らを混乱させたいんですか?」 牧子「違うわ、複数の疑問があなたの判断を狂わせた結果、謎が広がっているのよ。」 敷徳「複数の疑問?」 牧子「一つ目・山中タケルの言動を知りながらも、茜が彼に違和感を感じなかった理由は? 二つ目・実の兄妹じゃないとして、養子先の親の名字を原田さんが知っていた理由は? 三つ目・私が烏丸一郎をあなたにたどり寄せた理由とは? そして四つ目・記憶障害のある双子に子供は育てられるのか? これには答えも出すわ、片方が記憶障害じゃなければ可能である。」 敷徳「おい…それって…待ってくれだとすると…」 牧子「混乱しつつも、いくつか気づいたようね。 ただ本当のあなたの味方は二夫さんだけかもね…」(編集済)
敷徳「つまり三浦は最初は正義感で調べていたが、旨味を知り仲間になった。その後仲間割れかなんかで三浦夫妻が死んだ後に、茜は館長の施設に入り、その後原田家に。館長と原田は何処で知り合ったのか?闇社会だ。烏丸にしろ、みんな山中組を中心とした闇社会にいたのだ」 熊野「初対面のフリをして、実はみんな闇で知り合いだったのか」 敷徳「二夫だけが闇の外にいる。僕は推理を誘導されてたのか!」 (編集済)
敷徳「雷太も加奈も不審な行動を取っている。闇社会と関わりのない人間を探す方が難しい」 熊野は突然、紗矢と真由子に近づき水をぶっ掛けた。 紗矢「何するんですか?」 真由子「冷たい!」 熊野「どっちだ?記憶障害のフリをしてるのは?」
敷徳「申し訳ありません、熊さん何でこんな事を。」 熊野「事件を解決したい気持ちから、感情的になってしまっただけだ。」 紗矢「あの、何がしたいんですか。」 熊野の行動に頭を抱えつつ、黙って怯える真由子と怒りを見せる紗矢に謝罪する敷徳。 そんな彼に牧子は彼だけに聞こえるように伝える。 牧子「さっきのあなたの話、原田さんは闇社会とは関りはないわ。 もしそうだったら既に週刊誌がリークしているはず、それに三浦夫妻の件もね。 何よりあの刑事は他にもやる事があるはずなのに、私達の話に割り込んだ理由は?」 敷徳「(この女も誘導しているのは分かっているが、弱点は無いのか…あれ、ちょっと待てよ。)」 敷徳はある事を思い出し、牧子に告げた。 敷徳「あの、そういえば文也君が来るのを嫌がった理由は?」 牧子の表情に一瞬動揺を見せる。 敷徳「彼はシクトク踊り踊れましたし、子供売りの話の時のあなたの反応…」 牧子「二夫さんと一緒に別室に来て… 文也君の事、そしてシク村長の事件当時の映像を見せてあげるから。」(編集済)
牧子は敷徳と二夫を連れて別室に向かった。 警察は入口に立っている。 敷徳「シク村長の映像はアーカイブで既に見てるんだが」
牧子「ようこそ、さてこちらを見てくれるかしら?」 牧子は持病の薬を飲んだ後、アーカイブを見せた。 二夫「会話の内容も雷太君が言っていたのと同じですね」 敷徳「うん…村長の飲んでいる薬って?」 牧子「私のと同じね、アレルギー以外にも…薬物依存を抑える薬よ。」 敷徳「その管理をやっていたのは貴子。 だが一つ色が違う。 そして薬物依存…村長の殺人は貴子か。」 牧子「気づいたようね、さてジュースを主張していた刑事さんは…どちら側?」(編集済)
敷徳「カプセルに入っていた毒は青酸カリか。そして溶けた時に死に至る。ちょうどジュースを飲む時に重なったのが犯人にとって幸運だった。それではコップや椅子の青酸カリは誰の仕業だ?二人の犯人がシク村長を狙ったのか?」 二夫「それこそ熊野さんかな?」 (編集済)
敷徳「コップはジュースを入れた桃香しか近づけなかった。椅子は誰だか分からない」
二夫「確か熊野さんが針を隠したんですよね?」 敷徳「針が無くなったのは捜査中なのは間違いない。熊さんも村に繋がりがあったし。村の関係者は徹底的に調べなければ。そうだ牧子さん、早速文也君の事を話してくれますか?」(編集済)
牧子「まず、この二枚の写真を見て貰えないかしら?」 牧子はそう言って二枚の写真を見せた。 敷徳「一つは集合写真、もう一つの写真は文也さんと三人の男女?」 二夫「この写真は一体?」 疑問に思う二人に、牧子は告げる。 牧子「文也君の写真は去年の旅行先、彼が親友と一緒に撮った写真のポストカード。 バイト先のみんな全員、お土産と共に貰ったわ。」 牧子「そしてもう一つの写真は、15年前に撮影されたシクトク村の集合写真。 加奈の父親である正造さんも、ここにいるわ。」 そう言って写真の男性に指を指す。 敷徳「正造さんはこの人か…あれ文也さんと一緒に写っているこの男性と正造さん、似ている。 でも正造さんは亡くなったんじゃ?」 牧子「似ているのも当然よ。 同一人物なんだから、雪村正造と文也さんの親友と思われる人はね。」(編集済)
敷徳「正造さんは生きていたのか?じゃあ死体は誰なんだ?」 牧子「双子のDNAは一致するのよ。正造さんには双子の弟がいたの。正造さんは一度行方不明になった後に大樹の前で死んでいた。その時に正造さんと双子の弟が入れ替わったの。その後、正造さんは弟に成りすまして生きてきたの」 敷徳「何故そんな事を?」
牧子「双子の弟である、正次が加奈の本当の父親に会わせようとしたからよ。 正次はそれを知って、加奈を連れて村から出て行こうとした、でもそれを村は許さずに… 加奈の命は助かったけど…加奈の記憶障害を利用する形で隔離され、彼女の人生は潰された。 そして今度は秘密を知られたくないという思いから、文也君に接触した。 彼等にとっては邪魔だった一夫さんもいないから…」 珍しく怒りを見せる牧子。 二夫「やっぱり村ぐるみの犯行、何ですか?」 牧子「シク村長・貴文だけにできると思える、この事件はある人物によって操作されていた。 敷徳さん思い出して、私があなたに投げかけた三つ目を。」 敷徳「まさか…烏丸一郎…」 牧子「そのまさかよ、あいつは若者の説得の振りをして、貴文に接触して村に入り込んだ。 そこからシク村長や貴文を操った、だから私はあの男をあなた達に近づけたの…」(編集済)
敷徳「なるほどな。もしかして文也の父親が加奈の本当の父親か?」
【しばらく読んでなかったら流れがわからなくなった。あらすじ欲しいです】
【あらすじ】 2022年の冬季五輪の時、敷徳太郎はしがない探偵として活動していた。 彼が寝る間際に、瀕死の一人の男がある写真を持って助けを求めて亡くなった。 敷徳は知り合いの刑事である、熊野刑事と共に男の死との関係性がある場所・シクトク村へ向かう。 しかしそこから、敷徳は複数の謎と人間の醜さともいうべき、複雑怪奇な事件に巻き込まれる。 シクトク病とは何か、そして黒幕は誰なのか。 【登場人物】 敷徳太郎・しがない探偵だが、正義感は強い。 熊野刑事・敷徳とは長年の付き合いの刑事。 【村の関係者】 雪村加奈・父を亡くした、若い女性。シクトク病の感染者だった。 雪村真由子・加奈の母親だが、どこか彼女をないがしろにしている。 雨宮貴子・シク村長の妻。夫に恐れを抱いていたが… 風祭貴文・若くして紅琥村の村長となった辣腕だが…シク村長とは親子。 風祭桃香・貴文の妻であり、紅琥村の前村長である風祭与平の娘。 紗矢・紅琥村の旅館の女将で、真由子の双子の姉。妹の真由子と共にシクトク病感染者。 雷太・紗矢の息子で板前をやっている。年齢は加奈と同年代と思われる。 館長・表向きは孤児院を運営したが問題を起こした。 【村以外の事件関係者】 井上二夫・スキー教室をやっている、兄の一夫を殺された男。 原田雅彦・二夫と共に村の謎を解明する為に、帰国した(実在の人物とは違います。) 原田茜・原田雅彦の義理の妹に当たる。 烏丸一郎・有名な芸術家で、シクトク病感染者の一人だった。 烏丸みちる・烏丸とは20歳の年の差がある、彼を愛する若い妻。シクトク村出身だが両親を恨んでいる。 山村タケル・セミナーを運営している、敷徳いわく残念イケメン。 柿沢牧子(正岡)表向きはパン工場のバイトリーダー、裏では闇サイトで活動する暗躍者。 文也・一夫の数少ない知り合いであり、子供売りとして売られた過去を持つ。 雪村正造・加奈の父親で殺害されたと思われたが… 山中すばる・暴力団の組長だが、昔は雨宮と風祭の腰ぎんちゃくだった。生死不明? 白衣・奇譚を解読する著名な教授で、事件解決を願う一般人。 【亡くなっている人物】 井上一夫・二夫の弟で、村の謎を追求しようとして何者かに殺された。 雨宮竜太郎(シク村長)余所者を嫌い、粗暴な人物。式典の最中に殺害される。 風祭与平・紅琥村の前村長で今はこの世にいない。 唯・幼い少女で不幸な事故によって命を失うが、貴文は殺されたと考えている。 日向夫妻・井上兄弟の実の両親であり、父親は植物学者。雨宮と風祭に殺される。 三浦・茜の実の母親と思われ、日向の事件を探ろうとしている。 雪村正次・加奈を救おうとして兄に変わる形で殺された、正造の双子の弟。 あらすじと登場人物ですがうまくかけず、抜け落ちている箇所もありそうです。 あと登場人物に肉付けしたいのですが、解釈の違いも生まれますよね。 補足や追記などお願いします。(編集済)
主です。 分かりやすいあらすじありがとうございますm(__)m 登場人物が多くなるにつれ、こんがらがるので助かります。 これより物語を再開します!(編集済)
牧子「それは無いわね。 文也君のお父さんの年齢を考えると。 ただシク村長達は一夫さんを知っている、文也君を狙っていた。」 二夫「もしかして文也君を村から離れさせたくて、呼びたくなかったんですか?」 牧子「そうね、私は無関係の人は巻きこみたくなかったから。」 牧子は文也に対して別の想いがありそうだが、2人はあえて触れなかった。 敷徳「あの加奈さんの父親について思ったのですが、みちるさんを味方に付ければ新たな情報が入手できるのでは?」 牧子「難しいけどそれは良い判断ね。 彼女は烏丸の事に詳しいし、そして茜さんの監禁の真相も…」 #主様、皆さん改めてよろしくお願いします。(編集済)
敷徳たちは大広間に戻った。 ちょうど昼休憩が終わり、白衣がみんなの前で点呼を取っていた。 白衣「敷徳さんたちで全員集合ですね。茜さんは落ち着きましたが大事をとって医務室にいます。今後はリモートで参加してもらいます」 敷徳「紗矢と真由子は?」 白衣「このまま参加です。妄言は聞き流しましょう。それでは本の続きを読みますがいいですね?」 (編集済)
貴文「あの先ほどの妻…いや桃香さんの発言は全て虚言です。 ただ彼女も関係者という形で、別室でリモート参加させる形を取らせました。」 桃香「私は真実を言ったんですけど、雨宮隆文さん。」 2人のやり取りに周囲は呆れる中、茜のモニターが作動したがその表情は暗かった。 茜「皆さんご迷惑をおかけしました、改めてよろしくお願いします…」 白衣「では始めますので、皆さんお好きな席に座って下さい。」 敷徳はみちるの方の席に、牧子と二夫は文也と熊野の近くの席に座った。 敷徳「みちるさん、茜さんは大丈夫ですか?」 みちる「立ち眩みから倒れたと、茜さんは言っていました。」 敷徳「そうですか(あと始まる前に、これを見てくれませんか?)」 そう言って敷徳はみちるにメモを渡し、みちるはそれを見て少し動揺と悲しげな表情を見せた。 みちる「(休憩の時にお話します、私が知っている一郎さんの事を…)」(編集済)
白衣「シク村長の記述の続きです」 【ワシは与平に怒鳴り込みに行った。 「温泉が出るのを分かってて土地を買ったな。金の力で村長にまでなりやがって。ワシは首長になるのが夢だったんだ。何もかもバラしてやる!」 自暴自棄になったワシに与平は言った。 「温泉が出たのは偶然なんだ。お前にも分け前をやる。首長の夢は叶えればいい。実は分村したいと思ってたんだ。温泉の影響で山を隔てて貧富の差が生まれてな。温泉側の住民が税負担で不満を申しておる。分村すれば、向こう側の金持ちはお前だけ。まさに金の力で首長になれるぞ」 ワシはこの提案を魅力的に思った。】(編集済)
敷徳「これで2つの村に分かれたのか」 熊野「とことん自己中な連中じゃ」(編集済)
白衣[ワシは与平と手を組んで奴と金の力によって、親父の後窯として首長にもなれた。 隣の紅琥村の活性化には嫉妬も芽生えたが、金を得られるだけでいい。 馬鹿にしていた奴らも手のひらを返し、三浦もおとなしくなっていた。 ワシが好き勝手にやっても、妻の貴子には【久志吐の花】を与えれば文句は言わない。] 貴文「おい花って、母さん…」 貴子「…」 憤りを見せる貴文とどこか諦めを見せる無表情の貴子、白衣は話を続ける。 白衣[しかし…ワシにとって大いなる誤算が起きた。 女の双子の赤ん坊の片方に、【久志吐の花】の副作用による症状が現れたことだ。] 敷徳「(双子の片方…)」 ?「(怖い話ね、加奈はどう思う?)」 加奈だけに問いかける女の声に加奈は強い怯えを見せ、牧子はその方向を睨んでいた。(編集済)
【姉妹の違いは左肩のホクロの有無。ホクロ有りの方に副作用があった】 加奈と雷太は真由子と紗矢の袖をめくった。 (編集済)
真由子「どうしたの加奈、水で濡れた肩はさっき拭いたわよ?」 加奈「あっ、服の袖が色落ちしていないかなって気になって。」 紗矢「雷太、何をしているの?」 雷太「近くに蚊が飛んでいたからそれを叩こうとして、ごめんお袋。」 加奈・雷太「(ホクロ…)」 考え込む二人に対し、白衣は話を続けた。 白衣[双子の両親はかく乱し、子供を置き去りにして逃げた。 双子の処理に悩む中、もう一つ厄介だったのは三浦が再び近づいたことだ。](編集済)
白衣「三浦は事故の捜査を密かに続け、結論が出たと微笑んだ」 (編集済)
白衣[三浦は日向の親に会いに行き、双子の子達はどこ?と告げられたこと。 そして日向の研究所の職員だった夫と共に、車のタイヤ痕の異変のある土など物的証拠を見せた。] 熊野「いくつかの証拠は見つかった、いやそれとも偽装も用意していたか?」 熊野が考え込む中、話は続く。 白衣[ワシはあの女の目の前に、大金を見せた。 三浦の親は連帯保証人としての借金があり、親戚の援助も断っている情報も掴んだ。 ワシはこれで黙ってくれと、交渉した。 だがあの女は「お金ですか…すみません受け取れません。 私はこの村の未来を壊したくないんです、だから村長自首して下さい…風祭村長や協力者の方と共に。」] 気がついたら、ワシは三浦を殺していた…所詮こいつも日向と同じ偽善者か。 ただあの微笑みは何だったのか。 あと三浦には女の赤ん坊がいたな…処理する物が増えた。](編集済)
【すると貴子が現れ微笑んだ。 「貴方は私に三浦に近づけと言ってましたね」 「何じゃ、役立たずが!結局この有様だ」 「今から役に立ちますよ。幸い絞殺ですし、首吊りに見せかける事が出来ます。三浦夫妻は昔科捜研で勤めてた縁で結婚したそうでね。雑談で死体偽装の話が出てね。こうすればバレないのにと夫婦で笑ってたわ」 「何?よくやった!ひひひっ」 ワシらは細工を施し深夜に大樹に夫妻の首を括った】(編集済)
白衣[翌日ワシと貴子は、与平に三浦夫妻を殺害した事を伝えた。 与平は怒りを見せつつ、双子の事や三浦夫妻の娘の処遇を考えた。 貴子は神隠しの呪いとし、子供は殺して村の死も呪いにすればとほざいた。 だが雨宮は、裏社会で最近暗躍している「正岡」という人物に任せるのはと] 貴子「ああ…もう、全て終わりよ。」 貴子は叫びだし、白衣の方に向かって襲いかかろうとした。 敷徳「危ない!」 敷徳と白衣の近くの席にいた烏丸が貴子を抑えた。 貴子「離しなさいよ、いつになったらこの公開処刑は終わるのよ…終わらないなら私を」 敷徳「悪いが死んで欲しくないんでね…ただ…熊さんあんた何で…今の状況をただ座って見ていたんだよ…」(編集済)
熊野「・・・・」 敷徳「熊さん?」 熊野は椅子から崩れ落ちた。 熊野「すまない。過労が祟って力が入らん」 熊野はゆっくりと座り直した。 敷徳「嘘だ。本当は白衣が居なくなったほうが都合がいいからだ」 熊野「何を!」 (編集済)
敷徳「シク村長が亡くなる時、あんたは一時的に電話をかける為に部屋に出ていた。 その間コップに近づくことは、桃香さん以外ではあんたも可能だ。」 熊野「馬鹿な事を言うな、あの時は県警の電話に出ていただけだ…人を疑って何が楽しい。」 敷徳「それはこっちのセリフだ、あんたはいつから僕を騙していたんだ!」 2人の論争に周囲が戸惑う中、ある人物が仲裁に入る。 ?「二人とも今は論争をしている場合では無いですよ… まあ熊野刑事は、雪村という人物と深い関わりはあると思われますが。」 二夫「あの、雪村って?」 ?「ああ雪村は正造さんの事ですよ、熊野刑事の親戚も同じ名字からつながりはあると思ったので。」 牧子「当時の報道では、名前は公開されていませんが。」 二夫と牧子の追及に続けて、敷徳は告げる。 敷徳「何故、今正造さんの名前が出てくるんですか? 奇譚にはまだ出てないはずでは…烏丸先生。」(編集済)
烏丸「あれっ😨」 みちる「何故、貴方が知っているのです?」
敷徳「解析班に烏丸のスパイがいて、情報を流していたか?例えば熊さんとか😤」 熊野「そんな事して何になる?」 敷徳「銭だよ、銭」 熊野「ワシが金で動く人間だと思ってたのか?友情はここまでだな、フン!」 加奈「(なんか敷徳さん、わざと挑発してるような)」 二夫「まあまあ。烏丸さんが説明すればすむことです」 (編集済)
烏丸「説明と言われても、僕が一夫君と共に村の事を調べているのは知っていますよね? それに僕は正造さんは謎多い人物だと、以前語りましたが。」 牧子「あなたが一夫さんを裏切ったとしたら、どうなのかしら?」 烏丸「少し黙って下さい…何か朗読会前後から彼女を擁護するように感じますね…敷徳さんから。」 烏丸は冷静さを取り戻し、敷徳を追い詰めた。 敷徳「そうですね、僕が牧子さんと一時的にですが、手を組んでいるのは事実です。 ただその理由は事件解決の為であり、今は疑わしきあなたと熊野を追求しているだけです。」 熊野「犯罪者の方に味方するのか探偵、そもそも正造さんの殺人事件も謎だというのに…」 真由子「正造さんの殺人…いや…」 紗矢「真由子、大丈夫…」 真由子はうずくまる形で紗矢が真由子に寄り添おうとした瞬間、雷太が紗矢の肩を掴んだ。 紗矢「雷太?」 雷太は悲しげに紗矢を見つめ、彼女の服の袖を捲り、その左肩にはホクロがなかった。(編集済)
原田「という事は、ホクロがあるのは!」 加奈は真由子の袖をまくった。そこには大きな黒いホクロがあった。 敷徳「紗矢さん、話してくれますか?貴女の背負ってきた業を」
紗矢「覚えていることを話せば…いいんですよね?」 雷太「お袋…何でこんな事。」 紗矢「あっ貴子さん大丈夫ですか、烏丸先生が強く掴んでいたから…腕に凄いアザ。」 貴子「あんた…覚えているの?」 烏丸「・・・・・・」 紗矢は烏丸の方にを一瞬見つめ、白衣の教授には謝罪し、奇譚の発表に使われる椅子に座った。 紗矢「昔々、親のいない双子の女の子がいました。 双子の妹は物忘れがひどく、いつもお姉ちゃんに甘えてばかりでした。 双子の姉はそんな妹が大好きで、一方で自分達を蔑む醜い大人達を姉は強く憎んでいました。」 そう言って紗矢は貴子と館長、シク村長の遺影を見る。 紗矢「姉は大人達の醜さに気づき、どんな手を使っても一番愛する妹を守ることを誓いました。 ある時妹と離れることを知った姉は、妹と離れない方法を考えた際、仲良しの少女を見て思いつきました。」 貴文「まさか…」(編集済)
紗矢「その少女の名は唯。唯も両親が居らず、三人はいつも一緒に遊んでました」 敷徳「誰が三人の面倒を見てたの?」 紗矢「唯の祖父母が育ててくれたの」 (編集済)
敷徳「三人育てるのは大変だろうに」 紗矢「その前にシク村長が唯家に地下道を通したいと要望してきたの。分け前をやるのを見返りに。生活に窮してた老夫婦は、悪いと分かってて応じた。私達を引き取ったのは罪滅ぼしなのかも」 敷徳「シク村長の思惑通りなのかも。そうなるのを見込んで」 (編集済)
貴文「だけど納得できないな。育てて貰った恩を忘れて自分のエゴで唯ちゃんを・・・」
貴文「早く話してくれないか…唯ちゃんを殺した犯人がどちらかという事をな。」 桃香「あまり挑発するのも、どうかと思うけど。」 桃香は荒ぶる貴文に、冷めた目で冷静に告げる。 紗矢「姉が思いついたのは、余興が失敗する事です。 姉は唯ちゃんに余興の内容を聴き、その余興がうまく行かなければ、妹と離れる事も無くなるのではと。」 紗矢「そこに双子を嫌う少年が現れました、彼はいつも双子に唯ちゃんに近づくなと怒ってばかり。 唯ちゃんの余興も自分とママが手伝うと言い、結局双子の姉は余興を手伝えませんでした。」 貴文「おい…このアマ…」 貴文はそう言って紗矢に飛びかかるのを、雷太と敷徳が止めた。 貴文「今すぐ止めろ、この女は嘘を言い始めた…だから離せ。」 真由子「姉さん…はあ…はあ…」 加奈「お母さん、大丈夫?(ワクチン接種後から、お母さんはおとなしくなっている…)」 過呼吸になりかける真由子を、加奈は寄り添う形で支え始めた。(編集済)
敷徳「貴子はトンネルから唯を出す役割だったな。しかし目を離したすきに唯は川に浮かんでいた。貴文の役割は何だったんだ?」 貴文「俺は無関係だよ。嘘を信じるな」 原田「目を離したすきに川に浮かんでた?何か変だな。溺れたなら悲鳴や物音の一つも聞こえるはず」
貴文「おいあんたもこの女の味方か、全くこっちは両親のせいで疑われてばかりか。」 貴子「・・・・・・」 実の母親を蔑む貴文、何も言わず痛めた腕を抑えている貴子。 紗矢「私は本当の事を語っているだけです、唯ちゃんの話もこれからの話も。 続けてよろしいですか?」 敷徳「(何だろう、奇譚の一部の内容とこの状況に強い違和感を感じているのは…)」 一同が考え込む中、白衣の教授が発表会の方に向かった。 白衣「すまないが奇譚に関してだが、唯さんの事件を資料として印刷した。 この他の話も、現在最終段階までに進んでいる。」 桃香「印刷、そんなの可能だったの?」 白衣「書物の状態から、時間はかかりましたがシク村長からの復元には成功しました。 あと先ほど倒れた茜さんという方は、何故奇譚の開始からほとんど黙っているのですか?」(編集済)
茜「心身消耗してて話を聞いてるだけで精一杯です・・・」 白衣「ふーん。それにしては顔色が良好ですね。まるで演技してるみたいだ。茜さんの横にいるお医者さん、本当かね?」 医者「精神的な疲れは外見に出にくいです。しかし白衣さん辛辣ですね」 敷徳は白衣の態度に疑問を持った。彼は部外者なのに関係者のように感情的だ。 (編集済)
敷徳「白衣さん。貴方の名前を教えてください」 (編集済)