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正造は着替えを済ませたのちに、仲居に訪ねる。
正造「おい、カナはどこだ?」
中居「彼女は上の方で待っているかと…えっ?」
仲居が語った瞬間、カナは隙をつく形で室内にいる正造に体当たりをし、彼のマウントを取った。
カナ「さあ、もう終わらせましょう。」
正造「カナ、お前…」
敷徳「辞めてくれ、その男から離れるんだ‼」
カナを追う形で敷徳が悲壮感と共に声を荒げる。
カナ「止めないで下さい、私は作られた人格だから…私がこの男を。」
敷徳「ナオミにも伝えていないのか…何故、自分一人で背負い込むんだよ。
カナは以前自分は消えると僕に言っていた…そうなると君はカナではなく…加奈さんだよね?」
カナ…いや加奈の眼は正造を仕留める覚悟を見せていた。
加奈「あの、邪魔をしないで…」
仲居「ええ、私はただ加奈さんに…背負って欲しく無いだけなんですよね。」
正造「女…お前、まさか。」
驚く正造を仲居は睨みつつ、正造から加奈を離れさせ、敷徳はすぐに加奈の手を取って移動した。
加奈「あの仲居さんは…月本成君ですよね…」
敷徳「ああ正岡に恨みを持つ者は多いからね、彼も来てくれたよ。
正造の拘束を解けるのは正岡の弟子のみ、ちなみに料亭の従業員はみんな警察関係だよ。」
加奈「私はこの手であの男を…」
敷徳「君には一瞬だが強い躊躇いがあった…月本がいなかったら、僕はきっと…今言ったのは忘れてくれ。」
ナオミはある賭けから君を呼び出した、それは…節子を降伏させる為にね。」
加奈「冷静さでは、カナの方が高いですよ。」
敷徳「冷静さではね、ただ判断力に関しては君の方が高い。
カナは君やナオミの恨みを自分で行ってきた、自己犠牲が大きく、判断よりもそちらを優先している。」
正造「当たり前だ…俺達が生んだ物であり、全て優秀な…」
そう語りだして拘束を解こうとする正造を、月本が蹴り倒し、頭を押さえている。
月本「黙れよな、全く…まあナオの場合は僕が作り出した物であり、まだ幼いですからね。」
加奈「でも私だって恨みはありますよ、今回はきっと恐怖からで…」
敷徳「いや、君は気づいていないが、無意識にコントロールできているからだ。
それに今は記憶が共有している…だから正確に思いだしたんじゃないか、一夫さんが殺された場面を?」
二夫『子虎ですよね、小さいですが恐いですよ本当に。』
敷徳は加奈にアイコンタクトをし、加奈は相槌を打って話をする。
加奈「お兄さんの事件の話の前に聴きたいのですが…レオナさんの容態の報告は?」
二夫『レオナさんは大丈夫だとみちるさんから、同行したボブさんも一緒です。』
加奈「じゃあこれはフラッシュバックですよね、画面には子虎はいますが…子虎は檻の中。
真由子さんと桃香さん、そしてみちるさん、レオナさんの4人は縛られていますが?」
二夫『フラッシュバックですよ、冷静に…今は早く兄の話を…』
何故か若干の焦りを見せる二夫に敷徳は代わりに出る。
敷徳「月本と警察の方に今の映像を見せたら、画面には加奈さんのいう方が正しいと言いましたよ?
僕はあんたを警察の中に紛れ込んだ内通者であり、本物の二夫さんも人捕らわれていると見ている…」
加奈「思いだした事を少し伝えますね、あの車の中では正造の歌が流れていました。
あの歌は男の双子にも聴くそうです…それであなたは待機している人達を弱らせた状態にさせたんですか?」(編集済)