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女将「あら、敷徳さん」 敷徳は電話した経緯を説明した。 女将「加奈はそちらに居るのね。隔離は事実です。理由は伝染病です」 敷徳「伝染病とは?」 女将「シクトク病です。村が排他的なのは理由があります。余所者と結婚して出来た女の子はシクトク病になる。そして伝染るのは決まって産んだ母だけ。何故か成人すると治るのです」 敷徳「どんな症状なんです?」
女将「シクトク踊りに狂うのです」 電話越しに聞いていた加奈はハッとした! 加奈「そういえば、私、子供の頃無意識のうちに踊ってばかりいた」 女将「私が感染すれば旅館は潰れてしまいます。夫も隔離したのは加奈の面倒を見てもらうため。実際は二人でたまに会ってました」
女将「シクトク病の怖い所は感染した母の方は死ぬまで治らない所です。加奈が成人するまで会う事は出来ませんでした」 敷徳「ベーコンの時、一緒に食事したのは?」 女将「加奈が成人し、感染の心配が消えたからです。これからは家族3人で暮らせると思った矢先に・・・」
敷徳「事情は分かりました。しかし、腑に落ちない事があります。村ぐるみで事件の捜査を妨害する事です。女将は夫の死の真相を知りたくないのですか?」 女将「さあ、何の事でしょうか?忙しいので失礼します💦」 女将は電話を切った。
加奈「私は村のスパイではありません。隔離されていたので愛着は薄いです。結婚したら出ていくと思います。村に罪があるなら償うべきです。父の死の真相を知りたい一心で事務所に来ました!」 (編集済)