「自分はペットを愛しているし、ペットも自分に懐いてくれている。だから家族なんだ」
どうなんですかね? これ
安全な暮らしで餌も毎日貰え、病気になれば病院へ連れて行ってもらい好きなだけ寝て、健康で長生き
忙しさに追われる人間であればさぞ羨ましい生活に見えますが、これが幸せな人生だと思うのは人間のエゴです
だって、去勢してるでしょ?
今ペットの去勢率は年々上がっており、半数以上の犬猫は去勢済みです
動物病院へ連れて行くと、まず間違いなく去勢を勧められます
生殖器関連の病気のリスクが下がり、性格も大人しくなり部屋でマーキングすることもなく、発情期も無くなるので飼いやすくなります。飼い主にとっていいことづくめですね
反対に費用や手術自体の負担、太るなどデメリットもありますが、何故か語られない最大のデメリット
去勢したらもう一生繁殖出来ません
当たり前ですね
子供を持つことのデメリットや子供を作らない生き方などの(生き物にとって)バカなことを真面目に論じるのは人間だけであり、他全ての生き物は子孫を残すこと、これを生の最大目的として生きています
その機会を人間の都合で永遠に奪ってしまう。どれほど罪深いことでしょうか
生命を繋げなくすること。これはもう生命そのものを殺すことに等しいのではないでしょうか
では去勢しなければいいのかと言うと、そうではありません
結局は繋がれた環境で満足に性欲を発散できない、自由に子孫を残す欲求に沿って行動出来ないストレスを一生与え続けることになります
去勢をしないのであれば子供を作らせること。その子供まで責任を持つこと。本当に誠実に動物と接するのであればそこまでの話になってしまいます
どちらがよりペットのために良いのかは誰にもわかりません
ただ一つ言えるのは、本当に自由ならば動物はどちらも望まないということです
普通、家族の金玉や子宮を取ったりしません
監禁して子作りを制限したりしません
「家族」だなんて愛でまみれた言葉で誤魔化さず、飼い主自身も自分が何をしたのか、何をしているのかしっかり理解し業を背負って生きていく責任がある
どれだけ手厚く飼育し、面倒を見て愛情を注いでも極端な表現をすれば人間に捕まっている状態であり、幸せなペットなど存在しないのではないか? と思わずにはいられません
生き物を飼うことは愛の裏に必ずエゴが同居している
何が正しいのかではなく、それを認識すること自体が飼い主には必要なのだと僕は思います
当然ですが保健所の動物はペットショップとは違い引き取り手がいなければ確実に殺処分されます
極論すればペットを飼う余裕のある誰かがショップでお金を出して犬を一匹買うと保健所から無料で貰える犬が一匹死ぬことになりますね
私はこのような純血主義を辞めましょうと言うほど問題意識を持っているわけでもなく、ペットショップを潰しましょうなんて言えるほど行動的でもないので、批判の意味や説教で取り上げたのではなく
ただ自覚しましょうってことです。裏で起こっている黒いことや自分自身の勝手な部分を見て見ぬふりして愛だけを語るのは卑怯であると感じます
それら汚い部分を自覚し、改めてそれでもペットを家族と呼べるのか考えてみましょう