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鉄筋コンクリートのビルのような建物の屋上らしい広い場所にいる のどかな天気で辺りも静か 足元を見ると足首の上あたりまで水に浸かっている 屋上一面がその状態で、その浅い水の中はびっしりと黒くて大きな鯉で埋め尽くされ、無数の鯉の背中が水面から見えてびちゃびちゃと泳ぎまわっている 私は向こうへ歩いていきたいのに、足首の周りを埋め尽くした鯉が気持ち悪くて一歩も動けない
高原のような冷えて澄んだ空気の場所にいる 地面は霞のような白い雲に覆われている プラットホームも白い雲でできていて、そこにやがて着くはずの列車を待っている 細いベルトのバックルを握りしめていてフックが親指の腹に刺さっている 息子と娘を探すと、二人とも5歳(となぜかはっきりわかる)に戻っていて、主人に手を引かれてニコニコしながらこちらへ歩いてきている ほっとする 線路がどこまでも続いていて、遠くから列車の音だけが聞こえる
国道沿いの川と橋のある道、中学生のころ部活の帰りによく通った道だとわかる 夜で、頭上の暗い空にUFOがいる そこから光の球の連なりが見たことのない不思議な動きをしながら降下してくる 隣に昔好きだったバンドのギタリストがいて きれいだろう? あれは『■■■』だよ と言うが何と言ったのかはわからない 部活の仲間が自転車で迎えにきてくれて、みんなで帰る
アーケードのある昔の商店街のような通りを歩いている どこかに向かっていて、お店のおばさんに道を聞くと、電車に乗ることを教えられる 駅は高層ビルのなかにあり、ガラス張りのエレベーターから見える晴れた空はダリの絵のような青色をしている
玉砂利が敷きつめられていて広いところにいる なにか書いてある木の看板がたくさん立てられている 向こうの樹木のあたりに鼓笛隊の子どもたちの赤いベレー帽が集まっているのが見える 子どもたちに混ざって背の高いベレー帽がいくつか見え、なぜか、あのどれかが友人のMなんだなと思う おかしくなって笑っていたら目が覚めた
曇天、螺旋状にぐるりと回るゆるいのぼりの道を歩いて、屋根の先端が反りかえって赤い房が垂れている中国風?の古いお堂のような建物にたどりつく なかに入ろうとするが入り口がない あとから来た人がこうですよと教えてくれながら壁をシャッターのように下から持ち上げて入っていく やってみるが重くて引き上げきれず、これで入れるだろうかと考えている
山奥らしい自然のなかで川に沿って歩いている よく晴れていて明るい 川の流れは澄んでいて速く、目の前のカーブした深みに古代魚のような姿の大きな魚がいる この魚は10代のころから何度も夢に出てくる魚で、見るたびに寒気がして身がすくむ またあの魚だと思っている ほかに生き物の気配がない、なんの音もしていない
全寮制の学校らしい、校庭に出るとユニフォームを着たクラスメイトたちが人数が足らないので試合はしないと言っている じゃあ部屋に戻ろうと手を引かれて、華奢な手すりの階段を小走りでのぼりながら、手を引く彼女がルームメイトだったことを思い出す 部屋には夕暮れ間近のような光がさしこんでいて、並んでベッドに座ると軋んで音がする 軋ませながら笑いながら秘密をうちあけ合っている
とても懐かしい人をおぶって歩いている 暗い道を行きながら背中のその人にごめんねと言っている その人は展望台のような灯台のような建物の、螺旋階段の踏み板の下に目を閉じておさまっていた、それを見つけておぶってきた 左に路地がある、真っ暗な路地の先に影絵のような黒い木があり、赤い実がいくつも見える
今年見た夢のなかでいちばん心に残っている、夏前に見た夢です そこがどこでなぜかはわからない、2年前に旅立った猫が目の前に走ってきた エリザベスカラーもなく、包帯もなく、白と黒の四本の脚で元気に弾むように走ってきた Dちゃん治ったの!と言って抱き上げようとした、けれどもやっぱり痛いんじゃないかと躊躇して触れられなかった、抱いてあげられなかった 目が覚めたときたったこれだけしか覚えておらず、走ってきた姿は目にやきついていて、泣けてしかたがなかった
なにかのために降りたことを、父と妹の乗った車は気づかずに走り去ったので、なにも持たずに山のなかにひとりで取り残された 見つけて入った施設のような建物では時間ごとにやることが決められていて、連絡ができないまま夜になり雨が降る ようやく電話をすると、妹の友人だという知らない女性が出て、良かった、としきりに安心して泣いている 駅の近くまで帰ってきて、歩道の真ん中に花のプランターが等間隔で置かれているのを避けながら歩いてゆく 向こうから来た男性が苛立った様子でプランターを蹴り飛ばす、悲しくなる、家の場所が思い出せずどこに帰ればいいのかわからない