コメありがとうございます!
私も銃砲店の存在を支えにここまで書いております。でもあの後生き抜くのも、簡単ではなかったろうなと。白石はね〜、ほんと優しくていい男だと思うんです。優しさがね、押し付けがましくないんですよね。
ああああああごめんなさい!泣かないで〜!!大丈夫、大丈夫です。この「殺してやりてぇ」は「あの時助けてやれなくてごめんな。今からでも助けてやりたい」の意味です〜!!独りでしんどい思いして、ずっと傷ついて、何やってんだよ馬鹿!です。この杉元は、あの列車で尾形に何も出来なかった自分に納得してないのです。でも杉元は尾形に優しい言葉はかけんだろうな〜で、こうなっちゃいました。ごめんなさい!
すみません、駆け足で行かせてください。
⑨
テーブルに缶の中身ひとつひとつを並べ、玄関の花と、白石が持ってきた蝋燭と落雁を供えた。線香に火をつけると辺りには白檀の香が漂った。みんな自然と正座し掌を合わせた。白石が数珠を手に声明を唱え始める。『白骨の章』だ。
「それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、凡そはかなきものは、この世の始中終、幻の如くなる一期なり…」
なぜ人間に生まれてきたのか、結局最後まで生きる意味が分からないのが人間の一生であるという。それは夢幻のようで、哀れに見える。だけどシク子は、幽霊のオガタの、明治に生きた尾形百之助という男の一生を、儚くも愛おしいと心から思った。遺された魂の一部でも、弔うことが出来て良かった。シク子の目から涙が一筋流れた。
唱が終わると、白石は「だ~!疲れた!」と畳の上にどさりと転がった。杉元も足を崩してふぅ〜と息をついた。シク子が「ご飯!ご飯にしましょう」と慌てて台所へ向かう。
尾形はみんなを交互に眺めると、ほんの少し微笑んで「…悪くなかったぜ」と呟いた。誰にも聴こえなかったが。(編集済)
⑩
食事の支度をする間、シク子は男達を半ば無理矢理に風呂に突っ込んだ。とてもじゃないが、そのまま帰すわけにはいかないくらい汚れていたし、非常に汗臭かった。
シク子は着替えにと、オーバーサイズのTシャツ2枚を杉元と白石に、間違えて買ったメンズのシャツを尾形に渡した。これなら、ガタイのいい彼らも何とか着れるだろう。下は流石に無いのでパンツのままでいてもらうしかないが。ちょっと迷ったが、土まみれの服もまとめて洗濯した。乾燥機を使えば乾くだろう。男達は遠慮する気力すらもう無いのか、前世に立ち戻った影響か、少しぼうっとしていた。順番に風呂と着替えを済ませ、シク子の作った夕飯を平らげると、倒れるようにして眠ってしまった。
シク子は男達を帰すのを諦め、雑魚寝のお腹にタオルケットをかけてやった。パンツ姿の男を見るなんて久しぶりで、仕方ないとはいえ最初はドキっとしたが、こうして見てると大きな子供の夏休みの夜だ。ちょっと可愛い。シク子は自分も風呂を済ませ、隣の部屋で寝ることにした。
「シク子」
虫も鳴かない深夜。誰かに呼ばれて、シク子は目を開けた。眠るシク子に寄り添うように、尾形が寝転がっていた。
(続く)(編集済)
※エロくないけど濡れ場です
「えっ尾…オガタ?幽霊のオガタ?」
「まさかあいつらを連れてくるなんてな。驚いたぜ」ニヤリと笑った。
それから真顔になると「…ずいぶんと面倒をかけちまったな」と言ってオガタはシク子の頬を撫でた。「オガタ…」シク子が呼ぶと、オガタはコツンと額を合わせてきた。シク子を見つめると、ゆっくりと口づけをした。
「ずっとこうしてみたかった」オガタはそう言ってシク子の口を吸い、頬から首、鎖骨、そして胸へと優しく手を這わせた。シク子はその心地よい愛撫に熱いため息を漏らした。オガタの体に両腕を回し、肩や首筋や耳に頬ずりして唇を寄せると、その体は熱くて男の匂いがした。ああ、オガタが今ここにいる。シク子の目に涙が浮んだ。
狭い布団の中でお互いの服を脱がせ合った。すっかり裸になると、一刻も早く繋がりたくて仕方ないとばかりに、オガタがシク子を貫いた。シク子から甘い声が出た。オガタが「ん…」と息を漏らしながらシク子の奥まで入り込む。次にされることを思って、シク子はわなないた。しかしオガタはそのまま止まってしまった。シク子が不安になり始めた時、息も絶え絶えに「すまん…。良すぎて…今成仏しそうだ」と言った。
思わず二人で笑ってしまい、ちょっと失敗した。が、二度目に繋がってからはお互い夢中で抱き合った。
(あと二回で終わるのでご辛抱ください)