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敷徳「メモと村の写真を持って死んでたら真っ先に虐待してた館長が疑われる。茜を見つけないと館長はこのままパクられるよ」 館長「俺は犯人じゃない。俺も協力するよ」 熊野「それなら一夫の死んだ日のアリバイはあるか?」
館長「村人たちとシクトク踊りの練習をしてたよ。酒入ってて煙たがられたのう」 熊野は村人に裏を取りに行った。数十分後、熊野が戻ってきた。 熊野「間違いないな。これで館長は潔白だ」 館長はホッとして自宅に帰った。
すると、原田の携帯が鳴った。 原田「もしもし〜」 茜「お兄ちゃん?茜だよ。帰ったよ〜」 原田「茜!!!」 一同は引っくり返った(・o・)
原田「数ヶ月も何処行ってたんだよぉ?」 茜「人間開発の合宿セミナー。みんな反対するだろうから黙ってた。メモ残したでしょ」 原田「施設にいた一夫君に会ったかい?」 茜「よく知ってるね!主宰が人生で一番世話になった名前を書けと紙を配ってね。隣の人と交換して説明しなさいと言われた。死苦十苦と書いたら隣の人が驚いてね。一夫だった」 原田「一夫君はその後どうした?」 茜「合宿の半分終わったらリタイアしてた。数ヶ月に及ぶから結構リタイア多かったなぁ」
敷徳「電話代わります。探偵の敷徳です。実は一夫君は殺されました」 茜「何ですってぇ〜」 敷徳「貴女のメモとシクトク村の写真を持って僕に助けを求めて力尽きまして」 茜「メモは合宿の時のだね。村の写真は私のじゃないな」
敷徳「分かりました。話は変わりますが茜さんの両親は何故自殺したと思いますか?」 茜「借金もなかったし、夫婦仲も良かったし理由は分からないよ」 敷徳「ありがとうございました」 電話を切った敷徳は考え込む仕草をした後、皆に話しだした。 敷徳「村の写真を一夫が持ってたのが謎だな」 熊野「謎を解くには合宿をリタイアした後の足取りを追わんとな」
4人は一旦村を離れることにした。 敷徳の事務所で今後の方針を話し合った。
事務所に帰るのは何日ぶりだろう 雨が続いたからかほのかにカビ臭く不快な空気が漂っていた。
二夫「兄の自宅に手掛かりが残されてるかも」 熊野「既に自宅は特定されとる。古いアパートで布団と食料、少しの衣類しか無かったそうな。近所の聞き込みも行ったが挨拶だけの関係だったそうな」 敷徳「仕事は何をしてたんだ?」 熊野「パン工場のパート。合宿に参加する寸前に辞めとる」
4人が話し合いを続けようとする中、探偵事務所のチャイムが鳴る。 敷徳がチャイムの主を確認すると、事件の被害者の一人である正造の娘・加奈が立っていた。 敷徳「加奈さん、何故ここに?君は旅館の仕事が忙しいのでは。」 少し驚く敷徳や熊野に、加奈は告げる。 加奈「ごめんなさい。私、女将である母がもう信じられなくなって…」 加奈の表情はどこか憤りが強く感じられ、今にも泣きそうであった。
敷徳「女将さんがどうしたんだ?」 加奈「これ以上事件に首を突っ込むな。敷徳さんたちに関わるな!と。母だけでなく村長や村人たちも」 熊野「確かに排他的で余所者を受け入れぬ村だがのう。女将は夫が亡くなっとるのに」 敷徳「真相を知りたくないのか?それとも何か隠してるのか」
加奈「私は真相を知りたい!それが村を追い詰める事になるとしても」 敷徳「一緒に頑張りましょう」 加奈と敷徳は握手を交わした。
敷徳「で、女将である母が信じられないとは・・・いったいどう言う事ですか?話していただけますね」 加奈「・・・はい」 敷徳「こちらへどうぞ」 敷徳は加奈を事務所のソファに座らせた。
加奈「母は父の死を悲しんでないんです」 原田「どういうこと〜」 加奈「いつも旅館の事しか考えてないみたいで。父が死んだ時もすぐに遺品を処分し日常に戻ってました。今回も事件で集客が減る心配しかしてません」
そりゃカナわんな
熊野のダジャレに一同は大笑いした😂 熊野「済まぬ。調子に乗ってもうた」 敷徳「加奈さん、事情はよく分かりました。事件解決まではここに住めばいい」 加奈「助かります。しかし敷徳さんと二人でですか😳」
敷徳「あっ…ここと言うのは、この事務所の建物全体の事で。ここには女性専用の駆け込み寺の住居施設もあり、加奈さんにはそこと事務所を行き来してもらおうかと、すみません説明不足で…」 敷徳の顔は加奈を誤解させてしまった恥ずかしさか、強い反省の色がうかがえる。 加奈「敷徳さん、お気遣いありがとうございます(ドキドキした…)」
熊野「さて、事件についてだが合宿セミナーの主宰が気になるな。いかにも怪しい」 原田「茜に聞いてみるよ〜」 茜は事務所にパンフを持って来た。 敷徳「これは?」 茜「私が合宿を知ったのは街中でこれを配ってて興味が湧いたから。載ってる番号に電話して参加したの」 熊野「主宰の名は山中タケルか。よし電話してみるか」
敷徳はパンフに書いてある、合宿セミナーに電話を掛けた。 熊野「山中タケル、一見すると好青年っぽいが…」 パンフに載っている山中という男は、今でいう国宝級イケメンともいうべき美しきモデル体型の男だった。 茜「実際に会ったけど、本当に写真以上のイケメンだったからびっくりしたわね。」 敷徳「あっお忙しい中、申し訳ありません。」 敷徳の口調から、合宿セミナーと電話は繋がったようだ。
山中「悩みは一人で抱えるものではない!私が山中タケルでございます」 敷徳「こっこんにちは」 山中「その緊張した声!貴方は人生に迷っていますね」 敷徳「いえ、主宰に聞きたい事があって」 山中「ならば直接会うしかない!人と人はお互いの顔を合わせて初めて魂が合うか分かるのです」 敷徳は何とか住所を聞き出し電話を切った。 「はぁー疲れた。茜さん、良く最後まで合宿にいたね」 茜「ふふふ、変な人ですけど気は確かだと思います、多分😓」
一同は山中タケル邸に行くことにした。 そこは日本有数の高級住宅街で、山中の家はメルヘンなお城だった。 原田「お菓子の家見たい〜食べたくなる〜」 二夫「何とも奇天烈な」 熊野「早速、チャイムを押してみよう」 敷徳はチャイムを鳴らした♫
ピ〜ンポ〜ン〜♪ キャンキャン、ワオーン、バウバウ、 チャイムの音と共に、犬らしき鳴き声が響いた
扉が開くと、そこにはバスローブ姿の山中がいた。彼の周りには様々な犬種の犬がいて彼のバスローブを引っ張って丸裸にしてしまった! 加奈&茜「きゃーーーーーー」
丸裸になったと言っても、山中は着替える部屋に移動して、何事も無かったかのように、着替えを済ませて皆の前に出てきた。 山中「えーとお客様ですよね?すみません犬達が騒がしくて驚いたでしょう。」 敷徳「(あっ、これが俗に言う残念イケメンか…)」
茜「主宰、お久し振りです」 山中「茜君ではないか。新しく合宿に参加する仲間を連れてきたのかい?」 茜「いいえ。少し聞きたい事があって。合宿に参加してた井上一夫を覚えてますか?」 山中「一夫君か。覚えてるよ。彼はリタイアしちゃったけどね」 敷徳「リタイアの理由は何だったんですか?」
山中「決心が付いた。会いに行きたい人がいるのでリタイアする。と言ってたな」 熊野「ふむ。合宿はどんな事をしてるのか?」 山中「私と共に迷いを断つ修行をするのです」 茜「私は最後まで迷ったまんまだったよー」 一同は山中邸を後にした。 敷徳「一夫は合宿途中で迷いが消えた。そして、会いに行こうとしたのは👀」 熊野「真犯人の可能性が高いな。そしてトラブルが起きて、敷徳に助けを求めたって感じか」 
事務所前に戻ると、花束を持つ女性が立っていた。 敷徳「誰だ、あの女性は。」 熊野「まさか村の関係者で、加奈さんを連れ戻しに来たのでは?」 加奈「いえ、あの女性は見たことないです。」 二夫・原田・茜にも心当たりが無い中、こちらに気付いた女性は敷徳達に話しかけた。 女性「あの一夫さんが、亡くなられた場所はここで間違いないでしょうか?」
熊野「そうだが、貴方は?」 牧子「パン工場のパートで同僚だった柿沢牧子です」 敷徳「話を聞きたいな。事務所にどうぞ」
牧子「私はパートのリーダーで束ねる立場にいました。一夫さんがパートを辞めて、僅か数ヶ月でこんなことに。居ても立っても居られなくなりまして」 敷徳「一夫さんも天国で喜んでると思います」
熊野「退職理由を聞いてますか?」 牧子「一身上の都合としか聞いてません」 敷徳「何か変わった事は?」 牧子「彼はよく独り言を呟いてました。耳を澄まして聞いてみると、村の秘密を知ってしまった、と」 牧子は献花して帰宅した。
熊野「村の秘密を伝えるか悩んだ一夫は合宿に参加し迷いが消えた。しかし運悪く伝えた奴もグルだった」 敷徳「一夫にとって信頼していた相手だったのか、真犯人は」
原田「そもそも幼少期に一回しか行ってない村の秘密をどうやって知ったのかな〜」 二夫「僕も村の事忘れて生きてましたからね」 熊野「一夫がパート以外で出入りしていた所はないか、調べる必要があるな」 敷徳「今日はもう遅いから明日にしよう」 敷徳と加奈以外は事務所を去っていった。
2人は住居施設に向かい、代表夫妻に事情を話して、加奈の移住許可の手続きを終えた。 敷徳「事件の内容は詳しくは話せないとはいえ、解決したら話すべきかな。」 代表夫妻には加奈は母親とケンカからの家出で、事務所に来たと伝えておいた。 しかし敷徳は、ある強い違和感を感じている。 敷徳「ところで…あの加奈さん、移住施設にいるんじゃ?」 移住施設にいるはずの加奈は、何故か敷徳の事務所前までついてきた。 加奈「えーと…代表の奥様に敷徳さんの夕飯を作ったら、施設に行きますとは伝えました。」(編集済)
敷徳「夕飯作ってくれるのかい?」 加奈「タダで住むのは気が引けます。敷徳さんの食事の面倒を見させてください」 敷徳「僕はズボラだから助かるよ」
しかし事務所の冷蔵庫は空っぽだった。 加奈「あら、何も入って無いじゃないですか」 敷徳「料理は殆どせず外食で済ましてるから」 加奈「それじゃ健康に悪いです!スーパーに行きましょう」 敷徳「はい💦」 二人は事務所を出た。
張り切ってるな。しかし毎食か。もし不味かったらどうしよう😓 美味しいと言わんと悪いよな😔 (編集済)
買い物後に、加奈は台所に向かう。 加奈は手際よく、料理を作り上げていく。 「はい、鶏肉のスパイスカレーと豆のサラダになります」 敷徳「美味しい…凄いですね。」 敷徳はプロ顔負けの腕前に感動していた。 加奈「家事全般は父に教わったので…」(編集済)
敷徳「お父さんは元々村の人だったの?」 加奈「いいえ東京から婿養子として」 敷徳「お父さんは余所者って事か」(編集済)
加奈「村は余所者に冷たいので父は友人も居らず隠れるように暮らしてました」 敷徳「窮屈な暮らしだったろうな」 加奈「だから表に出る事のない主夫になったんだと思います」(編集済)
その後、加奈は施設に帰っていった。 敷徳は布団に寝転がって事件を整理した。 「主夫の正造の変死、茜の両親の自殺、そして一夫の惨殺。この3つの事件は時期は違えど村が関係している。明日からは一夫が村の秘密を何処で知ったか調べる必要があるな」 敷徳は寝に落ちた(-_-)zzz
深夜、事務所内の電話のベルの音で敷徳は目覚める。 敷徳「こんな時間に、もしもしどちら様ですか。」 敷徳は違和感を感じつつも、電話を取った。 ?「夜分遅くすみません、あのシクトク村の事件について…話したいことがあります。」 敷徳「村についてって、あなたは。」 ?「私は村の者でして、ただ詳しいお話は明日そちらの事務所の方で。」
そして、朝になった。 加奈が朝食を作りに現れると、敷徳は深夜の電話の事を話した。 敷徳「村人が加奈さんを連れ戻しに来るかもしれない。念の為、今日は施設に籠もってて」 加奈「私も大人ですし、しばらく村を出ますと書き置きもしてるので」 敷徳「そうか。一応、来客のチャイムが鳴ったらクローゼットに隠れててくれ」 加奈「分かりました」(編集済)
その後、朝食を終えテレビを見ていると、 ピンポーン🔔 敷徳「はーい\(^o^)/」 フレンドリーに明るくソフトな返事をした。 熊野「なんじゃい。気持ち悪いのう」 敷徳「熊さんだったのか、実は深夜に・・・」 熊野に電話の件を話した。 熊野「怪しいな。ワシも立ち会おう」
敷徳は、二夫・原田・茜にも来てもらうように連絡した。 二夫と茜は現在事務所にいるが。原田だけはいなかった。 茜「敷徳さん達も聴いたと思うけど、兄にスキージャンプの団体から話をしたいという連絡が来て。 兄からは終わり次第、急いでこっちに向かうって言ったけど。」 熊野「考えて見れば、五輪中だったもんな…」 敷徳達は原田の様子を心配した、数分後に事務所のチャイムが鳴った。 敷徳「(加奈さん、クローゼットの中に)はい、今開けます。」 ?「すみません、昨日はあんな遅くにお電話して。」
その人物は痩せた老年女性だった。 貴子「私、村長の妻で貴子と申します」 敷徳「僕に話したい事とは?」 貴子「最近、病院で余命宣告されました。残り少ない人生を考え、村の将来のために負の連鎖を断とうと思いました」 熊野「負の連鎖とは?」 貴子「一連の事件の根本に村ぐるみの罪があります」 茜「村ぐるみの罪って何?」 貴子「茜は幼かったから分からんと思う。貴方の両親が自殺したのは薬物中毒が原因なんよ」 二夫「ヤク中だって?」 貴子「村ぐるみで大麻栽培をしてたんよ」
熊野「当時の報道で死体に薬物なんて検出されなかったはず」 貴子「村ぐるみとは村の警察も病院もマスコミも含めてよ。いくらでも改竄できる」 敷徳「何てこった」 加奈がクローゼットから飛び出してきた。 加奈「じゃあ父もヤク中が原因で?」 貴子「加奈、ここに居たの!ええ、そうよ。正造は余所者としてストレスだらけ。誰よりも薬に手を出してた」 二夫「血塗られた木は?みんな偶然木の前で死んだんですか?」 貴子「本当は別の場所でそれぞれ死んでたの。血塗られた木の呪いとカモフラージュするために村人たちで移動させたんよ」
敷徳は貴子の発言に、違和感を感じていた。 敷徳「(村ぐるみで隠せる事は可能か、茜さんの両親と正造さんが対象となっている薬物…)」 貴子「加奈…ごめんよ。」 心配そうに見る貴子を、加奈は貴子を睨み付けた。 加奈「ヤク中が原因と言いましたが…この人の言っていることは、嘘です。 だって私は父さんと共に、村から隔離されていたから…それでも2人で強く生きようって…父さんは… それに母は父さんが亡くなるまで、私達に会おうともしなかった。 それは、私が女として産まれたから…」(編集済)
貴子「加奈に隠れてしてたのよ。それに隔離じゃない。排他的で余所者に冷たい村だから女将は家族を守ろうとしたんよ」 敷徳「会おうともしないのはオカシイな」 貴子「うっ💦」 熊野「警察も病院もマスコミも異動や転勤がある。村出身者だけで構成するのは不可能だ」 貴子「うっ💦」(編集済)