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ジャラジャラ、ジャラジャラ…… 隣のパチプロらしいホームレスの男が、羨ましそうに敷徳を眺めている。 滝のように出て来るパチンコ玉を、敷徳はどんどん近くのプラスチックの空き箱に入れていくが追い付かない。 「なあ兄ちゃん、ちょっと俺に分けてくれよ。俺、ジャンボポッキーが食いてえんだよ」
敷徳はその晩、10万円儲けることができた。 「海物語」のビキニのお姉ちゃんたちの絵が微笑んで敷徳を見送っているように見えた。
最寄り駅に到着すると、ホームには敷徳の婚約者がいた 「また命を危険にさらして仕事をするのね……」 涙をこぼす 電車が発車すると、彼女はしばらく電車を追いかけて走り、ホームの隅で泣き崩れるのが見えた